銀の王子と金の竜

2/20
108人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
ある時、山の妖精の女王が国を訪れました。 自分の娘と銀の王子を結婚させたいと申し出に来たのです。 王は大切な一人息子を人でない者には渡せないと断り、彼女の怒りを買いました。 そして銀の髪と瞳を持つ王子は罰として固い銀の茨に囚われて未来永劫眠りにつく呪いをかけられてしまいました。 父王や妃、国々の民たちは泣きくずおれどうにか王子を目覚めさせようと様々な手を尽くしましたが王子は目覚めませんでした。 銀の茨は鋭く、触ったもの全てを切り裂きました。それが王子の体全身に張り巡っていて、無理に引き出そうとすれば王子の体はずたずたになってしまいます。 そうして誰も王子に触れられなくなってしまったのです。 王子の眠りの呪いは誰にも解けませんでした。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!