銀の王子と金の竜

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男達の頭上に黒い影が舞い降ります。 現れたのは空を覆い隠すほどに大きく翼を広げた竜でした。 鱗と同じ金色をした鋭い目は怒りに燃え上がり、遠くで見ていた少女も身震いするほどでした。 竜は口を大きく開けて赤く光る炎を吐きだしました。 恐れ戦く男達は持っている大きなナイフも猟銃を構えるひまもなく蹴散らされ、悲鳴をあげました。 めらめらと燃える炎が男達に迫っていきます。 不思議とその炎は森の木々を焼き尽くすことはなく燃え続けました。 少女はあれも魔法の力のひとつなのだと思いました。 竜が咆哮をあげると男達は転がるように逃げていきました。
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