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「勝手に修験道の開祖の名を……」
わざと怒気を含んだ口調を使う、嘘は下手だがこれぐらいの演技ならできる。
「戌亥寺は修験寺で戍亥神社の縁起にも関わっている。役行者はぼくらにとって尊いお方だ、その名をカルト宗教ごときが軽々しく使うな！」
祐太の顔がみるみる赤くなり、魁斗の眼にも険が現れる。
「カルトだと……」
あと一押し！
「違うのか？ 教祖の名前からしていかがわしい、耶蘇未麓ってキリスト教を表す耶蘇と弥勒菩薩から取った名前だろ。
アークソサエティは色々な宗教をごちゃ混ぜにして、オカルトで味付けしただけの安っぽいエセ宗教だッ」
祐太が再び明人の胸ぐらに掴みかかる。
明人はよろめき後ろにあった段ボール箱にぶつかり倒れた。
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