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地下室
「ダレ?」
扉の向こうから声がした、一人じゃない二人いる。
「ボクは天城翔、探偵だよ」
「探偵……なんでここに?」
先ほどとは別な声が不安げに言った、こちらを警戒している。
思いのほか早く見つけられたか。
「仕事でね、人を探している。失礼だけどキミたちの名前は?」
「佐藤瑠菜」
この子が瑠菜か、じゃあもう一人は……
「雪城鈴音……」
「瑠菜ちゃんに鈴音ちゃんだね、今出してあげるよ」
そう言うと天城はバッグの中からピッキング用の針金を出した。
この地下牢獄設計者は鍵にこだわりがなかったようで、使用されているのはピッキングに弱いピンシリンダーだ。これなら一分もかからずに解錠できる。
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