地下室

1/3
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/177ページ

地下室

「ダレ?」  扉の向こうから声がした、一人じゃない二人いる。 「ボクは天城翔、探偵だよ」 「探偵……なんでここに?」  先ほどとは別な声が不安げに言った、こちらを警戒している。   思いのほか早く見つけられたか。 「仕事でね、人を探している。失礼だけどキミたちの名前は?」 「佐藤瑠菜」   この子が瑠菜か、じゃあもう一人は…… 「雪城鈴音……」 「瑠菜ちゃんに鈴音ちゃんだね、今出してあげるよ」  そう言うと天城はバッグの中からピッキング用の針金を出した。  この地下牢獄設計者は鍵にこだわりがなかったようで、使用されているのはピッキングに弱いピンシリンダーだ。これなら一分もかからずに解錠できる。
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!