地下室

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「よしッ」  扉を開けると中から異臭と共に桑野高校のブレザーを着た二人の少女が出てきた。   この臭い、ここで拷問をしていたな……  汚物の臭いに混じって鉄の臭いもする。 「ありがとう……」  涙目の瑠菜は男子の制服を着ている天城を見て戸惑い、鈴音はあからさまに警戒している。 「ケガはないかい?」  瑠菜はうなずいたが、鈴音は沈黙したままだ。 「鈴音ちゃん、ボクはキミのお父さんに頼まれたんだ」 「パパに?」 「そうさ、もう気づいていると思うけどキミを連れ戻すためにね」 「わたしは自分の意思でここにいるの……ママも……そう望んでるし……」
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