地下室

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 天城に敵意を向けようとしているが明らかに迷っている。 「鈴音!」  瑠菜が会話に割り込んだ。 「一緒に帰ろう、鈴音は独りじゃないんだよ」 「でも……わたし……」 「言ったでしょ、あたしが守るって」  瑠菜は鈴音を脱会させようと、鈴音は瑠菜は入信させようとお互い闇の中で説得し合っていたのだろう。 「瑠菜……」  潤んだ瞳を瑠菜に向ける。  瑠菜は鈴音を勇気づけるように力強くうなずいた。 「とにかく一度ここから出よう。  でもその前に……」  他の監獄に何があるのか確認する必要がある。
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