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「ほぅ、やるねぇ!」
「『やるねぇ』じゃないですよッ、せっかく二人をここから引き離そうと……」
天城の後から二人の少女が姿を現した。一人は瑠菜だ、そうするともう一人は、
雪城鈴音か。
「どうして……?」
瑠菜は拗ねたように明人から視線を逸らし、鈴音も所在なさげにうつむいている。
彼は何か鈴音に既視感を覚えたが、それ以上に瑠菜が気になった。
「見ての通りさ、二人は監禁されていたんだ。
とにかくトットとズラかるよ」
心なしか天城が嬉しそうだ。鈴音を見つけたからか、それとも別な何かがあったのか。
どちらにしろ雪城鈴音を見つけた以上長居は無用だ、明人は物置から廊下へ出た。
すでにブレーカーは元に戻されたらしく廊下は明るい。
天城に続き瑠菜と鈴音も物置部屋から出てきたので、勝手口に向かおうとすると二人の男が明人たちの行く手に立ちはだかった。
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