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全てが不自然だった。
思い当たることは一つ、彼は以前からアークソサエティ信者の脱会を手伝っていた。
猛と共に脱会援助をしていた弁護士の大塚正治は答えを渋っていたが、茂子が問い詰めるとアークに消された可能性を口にした。しかし、その後の警察の調べでもアークソサエティにつながる証拠は出てこなかった。
茂子はアークソサエティと戦う決意をした。就職が決まっていた弁護士事務所を断り、父の探偵事務所を継いだ。警察を選ばなかったのは組織では自由が利かないからだ。
三瓶茂子は探偵天城翔となり、三瓶興信所は天城探偵事務所に生まれ変わった。
そしてアークソサエティを追い詰める証拠を大槻聖堂の地下室で見つけたはずなのに、目の前には事故で原形をとどめていない父の顔だったモノがある。
立ち会った恭治と正治からは見るなと言われた。しかし、茂子は見なければならなかった。
父の最期の姿を、そしてその無念を己の心に焼き付けるために。
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