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「待ってください……」
消え入りそうな声で鈴音が割って入った。
「わたしは残ります。だから瑠菜たちは帰してあげてください……」
「ダメだよッ、鈴音! 一緒に帰ろうッ!」
瑠菜が慌てて鈴音の腕をつかむ。
「ルーちゃん、ゴメン。わたし、やっぱり帰れない……」
「なんでッ? お父さんが待ってるんだよ!」
鈴音は瑠菜の腕を優しく離した。
「うん、わかってる。だから、お父さんにゴメンって言っておいて、わたしのせいで選挙に勝てないかもしれない」
「なに言ってんのッ、鈴音ッ?」
少女たちのやりとりを聞きながら天城は考えていた。
瑠菜だけではなく鈴音も連れ出したい。
この人数をボクと明人クンで振り切れるか……
問題は人数だけではない、先ほどのような怪しげな呪術を使うヤツがもっといるかもしれないのだ。
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