第2章 近くて遠いい

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「アキ。いつまで寝てるんだ。大学が休みだからって、せめて朝ごはんは食べなきゃダメだ。」 寒いからといつまでも起きれないでいると、5つ上の同居人がいつもの時間より30分遅く起こしにきた。 その顔をぼーっと見つめ、アキはじゃあ抱っこしてダイニングまで連れてってという。彼は子供じゃないんだからと苦笑いするが、満更でもないようで彼はひょいっとアキの身体を持ち上げると、そのままテーブルに座らせた。 テーブルの上にはできたての朝食が湯気を立てている。 今日も美味しそうだ。 彼の名前は湊。アキのルームメイト?だ。 事故の後、病室には毎日のように彼がきた。服を持ってきて着替えさせたり、体を拭いたり、スプーンを持てないうちはご飯も食べさせてくれたり、ともかくずっと世話を焼いてくれていた。 話を聞くと、2年前から同居している友人らしい。彼はあまり多くを語りたくはないようで、ほとんどアキとの関係について離さない。 彼は作家でアキはそのファンで、非常に馬があったので節約のためシェアハウスをするようになったそうだ。 湊は過保護だ。     
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