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「デザート、食う?」
場の空気を変えるように、青柳がカップのチョコレートケーキと紅茶を差し出してきた。
ちなみに彼の弁当やデザートは自作で、湊に負けず劣らずすごい。今日は炊き込みご飯とレンコンのはさみ揚げと何かのおひたしだったか。ともかく完璧すぎる。なぜ彼女を作らないのかが疑問だ。
「…食べる。相変わらず無駄にスキル高いな…。」
甘いものが好きでコーヒーが苦手なアキの心を掴む組み合わせを、ありがたく頂戴することにした。
「湊さんには敵わないよ。」
「どうだか。」
カップケーキはふわふわで、ちょうど良い甘さだ。ホットケーキミックスを使うと決まってその味になるが、これは使わずに作っているものだ。
「美味しい。」
「そりゃどーも。」
ケーキの甘さに思わず満面の笑みを浮かべるアキを、青柳は頬杖をつきながら嬉しそうに眺めていた。
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