第6章 思い出旅行

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しばらく走ると、大きめの駅に着いた。都会とまではいかなくても、ビルがいくつも立ち並んでいて賑やかだ。見るからに狭そうなビルも結構な人数が出入りしている。 湊は夜は豪華にしたから軽く食べようと告げ、迷わず一角のファストフード店に入っていった。アキもそのあとに続く。 「どれにする?」 「んー、任せる。」 行ったことがないので何がいいのかわからなくて、湊の裁量に任せることにする。湊は自分とアキの分を、慣れた様子で注文した。 いつも家で毎食作り、外食も高そうなお店に連れてってくれるので、湊が慣れた様子でいることにアキは違和感を覚える。 そこそこ混んでいる店内に2人分の席を見つけると、そこに座り、食事を置く。アキも湊に続いて同じようにした。 主食は紙に包まれて温かい。包み紙にはチーズバーガーと書いてあった。それにカップに入ったサラダがついている。 丁寧に包み紙を半分まではがすと、大きめに口を開きかぶりついた。 アキは咀嚼を繰り返しながら、静かにに驚ていた。自分の記憶には、ファストフードを食べた記憶がない。まったくないのに、それを食べている間感じた感情は、 懐かしさ だったのだから。
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