私と少年と先生と

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「ふにゃぁー」 白い息が空を舞う。 今日もあの子は来なかった。 別に約束していたわけじゃない。だから別に構わないけれど。 でも、少しは私を気にして欲しかったかな。 「毎日来るね」っと言ってくれたのに。 所詮、子供の言うこと。仕方ない。 「にゃー」 ふと空を見上げたら、ポツっと雨が降ってきた。 いやーまた降ってきたー! 早く屋根のあるところにいかなきゃ。 ボロボロの段ボール箱をひょいっと乗り越え、シュタと地面に着地する、つもりが、失敗して茶色の毛に泥水がはねた。 いいもん、負けないもん! シュタタタと屋根のあるところに行くと先客がいた。 茶色の髪に黒い服の少年がベンチに寝転んでいた。顔にいくつか傷があり、服も少し泥で汚れている。 あら、ちょっと私に似てない? 親近感わくわ。話しかけてみようかしら。
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