第1章

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このサークルには年とか性別とかが余り情報として上がらないため、集まる面子がどんな年齢、性別とかは分からなくなっていた。まぁそこがいいのだが。 めんどくさいと言っておきながら要は楽しみでもあったのだ。 一体普段どんな連中が個々で馴れ合いに興じていたのかを、俺は知りたがっていたのである。 知りたがっていたのであるから、やるでしょ、となる。 俺はいち早く企画の準備に取りかかった。 まず、年齢や性別に干渉が余り無いようにしなければと思ったのでなるべく周りの仲間同士の深入りはエヌジーとした。 あくまでファミレスの調査が目的なので、日帰りできる時間帯での集合解散を提案模索した。 サークルメンバーの意見を参考にした集合場所の提示。 サークルメンバーにもしものことがないように連絡先やその他情報交換。 スムーズな移動を考えて移動は地元のレンタルバスを御借りした。 そんなこんなで話がまとまり、意見交換も滞りなくその日を待ちわびた。 当日はなるべくラフな格好でいこうと決めていた俺は、春先にぴったりの薄手のボーダーと下はジーンズの組み合わせでその日を迎えた。 なるべく食事を優先させることも考えて時間は昼前に集合とした。 目的の群馬駅前には既にレンタルバスが停車し、サークル名の(ファミショク)の文字がその運転窓から覗いていた。 さて、行こうか。 そう思いながらバスの中へと俺は足を踏み入れる。 バスの中へと誘われた俺を待っていたサークルメンバー達。 そう、名前も年も性別も様々なファミレス好きのメンバー達のファーストコンタクト。 どんな感じの人々が集まっているのか楽しみでならない。 そんな期待を胸にバスの中へ。 そしてバスに入ると其処は、未知との遭遇だった。 この時の俺が発した渾身の第一声を御見せする。 「なぁんだ、来る星を間違えたか?」 ――アホか! そんな話が何処で産声したってんだ!? なんだここは? 周りの人間?は何だか皆ワイワイ雑談を楽しんでいるご様子。 そんな雑談の声を耳に俺は思う。なんだこいつら!? 一見して思ったさ。まず人間の脚らしき物が殆どのメンバーに生えておらず、ましてや、腕もおろか、その表情、輪郭、胴体までもが皆人外(じんがい) 中には如何にもな宇宙人っぽい鮹に似たスタイルなのも居る。なんだここは? おまけにバスの運転手までもがハロウィンみたいな仮装?なのかカボチャみたいな頭だし。
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