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「お友達連れて来たよ。その子を先に着せ替えてから由愛ちゃんのオムツ換えてあげる。また写真いっぱい取ろうね」
そう言って箱を覗いた笹本が下卑た微笑みを浮かべた。
いやだいやだいやだっ
そう叫びたいが、そんなことをすればまた頬や頭を殴られるだろう。お仕置きだと言って大事なところをつねられるのも痛くて恥ずかしくて悲しかった。
「うっ」
急に声を詰まらせた笹本が驚いた表情を浮かべ、後ろを振り返った。
「なめんなよ、てめぇ」
荒々しい女の子の声が聞こえる。
笹本は呻きながら崩れ落ちて箱の縁から消えた。
由愛は恐る恐る箱から顔を出した。
金色の髪の少女が笹本の背中からナイフを抜いている。血がどくどくと溢れ出し笹本の下に血溜まりを作っていく。
折りたたんだナイフをジーンズのポケットに差し込むと今度は笹本の上着を探り始めた。
スマホを見つけてそれもポケットに入れ、由愛をしばらくじっと見つめてからガレージを出て行った。
少女が通報したのか、その後しばらくしてパトカーが到着し、箱の中で動けないでいた由愛は助けられた。
笹本はすでに失血死していた。
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