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それこそ僕が、何か心残りはないかと聞けば、ゲームを放置している事だと返ってくる程に。
結果、僕は彼女の分までゲームを進める羽目になった。
自分のアカウントを疎かにする訳にもいかず、僕は自分のスマホと彼女のスマホを交互に充電しながら二台同時に操作する事を強要されてしまった。
ーーLINEは出来てソシャゲが出来ないってどういう理屈だ?
ーーわかんないけど、そういうことだ。
憔悴し切った僕が泣きつくように聞けば、返ってきたのは全くもって納得のいかない言葉。
だがやりたくて仕方の無いらしい彼女が出来ないと言うのだから実際不可能なのだろう。
ならば仕様がないと割り切って僕は二台のスマホを操作し続ける。
どうやら彼女自身にもまだ自由が効く事と効かない事の判別が付かないらしい。
幽霊経験が浅いからか致し方のない事かもしれないが、まさかこんな形で僕に負担が来るとは思ってもいなかった。
その内彼女が自力でゲームをプレイ出来る程度に成長する事を祈って、僕は休みの貴重な自由時間を彼女のアカウント育成に宛てていた。
僕は夜勤で働いているので、当然昼夜逆転生活を送っている。
ゲームを一区切り付け、睡魔が訪れる頃は朝日がカーテンを透かして部屋をほの明るく照らす時間帯だ。
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