26人が本棚に入れています
本棚に追加
何となく、彼女の気が済むまでそうしておいてやりたいと思ったのだ。
睡魔が限界に達した頃、そろそろ眠らないかとの旨をLINEで送った。
幽霊である彼女に睡眠の必要性を問うのも不思議な感覚だったが、どうやら彼女は僕に合わせて眠りたいらしい。
ーー眠くなったら教えて。私も寝るから。
そう事前に伝えられていた。
睡眠に誘った所、二秒と待たずに了承の返信が来た。
僕がソファで布団を被って目を閉じた時、スマホから通知を知らせる着信音が鳴る。
ーー一緒に寝たい。
彼女の意図する所を察して、溜息を吐いた。
僕は一人で眠る時ソファで済ませていた。
以前は布団もあったのだが、猫が何度もおしっこをしては捨てを繰り返すものだから諦めてソファで妥協する内、体が馴染んで快眠出来る様になったのだ。
彼女が泊まる時は、床に薄っぺらいカーペットを敷いて二人身を寄せ合って眠った。当然、硬い床との密着面積が広い為、起きれば体の節々が悲鳴をあげていた。
それは彼女も同じだったが、痛みも寝苦しさも我慢してまで僕と添い寝する事を優先していた。
僕はそんな彼女のいじましさに負ける形で、彼女が泊まる度同衾していた。
僕らは朝方眠りにつき、昼過ぎか夕方頃に痛みと共に目覚めていた。
最初のコメントを投稿しよう!