ひかりにおちる

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5分ほどでシャワーを終え、髪もろくすっぽ乾かさないまま外出用の服に着替え、彼女と自分の分の携帯を鞄に突っ込んで、再び体が睡魔に脅かされる前に家を出た。 水族館など録に訪れた事の無い自分には新鮮というよりも、早速人の多さに辟易してしまったというのが正直な感想だった。 人間はなんでこんなに多いんだ。 人混みを嫌う僕には、水族館の周辺に群がる数多の人、人、人、それだけで帰還意欲をそそるには充分だった。 平日にただ魚介類を見る為だけに何故こんなにも人が集まるのか、僕には理解不能だった。 彼女は結構な頻度で通っていたらしいので、着く前から楽しみだというLINEが耐えない。 僕は時折襲いくる睡魔をやり過ごしながら、入館チケットを購入する。 その際暫時、戸惑うことがあった。 一人分か、二人分購入する事である。 僕はお世辞にも優等生とは言えない性根をしているが、妙な所で生真面目な部分がある。 例えばどれ程安価なチェーン店でも店員に敬意を払うだとか、コンビニでも商品を買う際に謝辞を欠かさないだとか。クレーマーの蔓延る世の中で僕は礼儀正しい部類に入るらしい。 僕の中では金を払って従業員にサービスを提供されているのだから、それに対して経緯を払うのは当然の行いだと認識している。     
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