晴れ渡る空の様に清々しい

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火葬場で喫煙所を見付けた僕は、火葬の終了を待つ湿っぽい集団を離れてそこへ避難した。人目につきにくい、火葬場の裏手に設置された灰皿に火を落としながら、彼女へLINEを送った。 ーー自分の葬式眺めるのってどんな気分なんだ? 返事は煙草を一本吸い終わるまでかかった。 ーーごめんなさい、ってきもち。 自殺。 自ら命を絶つという選択をした後悔なのか。今更。 告別式にも参加したが、両親の口から彼女の死因について深く語られることはなかった。 ただ彼女を喪った深い哀しみと、未然に防げなかった自責の言葉を涙ながらに語っていた。 聴きながら他の参列者も涙していた。 暗涙に咽ぶ、というのはちょっと違うか。兎に角皆が皆して彼女の死に、涙という形でもって哀しみを表していた。 僕だけが、一滴の涙もこぼさず、表情ひとつも変えずに訥々と葬儀をやり過ごしていた。周囲から見ればさぞ冷淡な人間に映ったことだろう。別に構いはしない。 そっと僕を心中で非難した人間とも彼女の両親とも、今後の人生交わることは無いだろうから。 それに何より僕には哀しむ理由がない。 だって、彼女は僕のそばにいるのだから。 僕だけのそばに。
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