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ーー早く充電して。
僕は渋々自分の充電コードに彼女のスマホを繋いだ。
僕のスマホもそこそこバッテリーが減っているし、これからソーシャルゲームのイベントがあるので万全の状態にしておきたかったのだが……。
そんな僕の不満を察したのか、彼女からLINEが入る。
ーーごめん。でも充電切れたらLINEできなくなるからさ。
ということは彼女はこのスマホからLINEを送ってきているのか。
試しに僕が
ーーそうなのか。
とLINEを送ればロック画面にLINEの新着通知が表示された。
けれどそれはすぐ勝手にスライドされて、LINE画面が開かれた。
彼女の画面だ。
生前と死後の、僕らのやり取りがデータ上の記録として残っているアプリ。
これが今の僕らを繋ぎ、僕が彼女を認識する唯一の手段。
甘えてくる猫を撫でながら、ふと思い立って僕はスマホを手に取った。
ーーどうして死んだ事を隠してたんだ?
返事はすぐに来た。
ーーいや、言い出しづらいでしょそういうの。
まあ確かに。
続け様に気になっていたことをいくつか質問してみる。
ーースマホいじってるって親にバレなかったのか?
ーーヤバい時は何回かあったけどなんとか乗り切った。
ーー充電は?
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