晴れ渡る空の様に清々しい

7/20
前へ
/43ページ
次へ
ーー早く充電して。 僕は渋々自分の充電コードに彼女のスマホを繋いだ。 僕のスマホもそこそこバッテリーが減っているし、これからソーシャルゲームのイベントがあるので万全の状態にしておきたかったのだが……。 そんな僕の不満を察したのか、彼女からLINEが入る。 ーーごめん。でも充電切れたらLINEできなくなるからさ。 ということは彼女はこのスマホからLINEを送ってきているのか。 試しに僕が ーーそうなのか。 とLINEを送ればロック画面にLINEの新着通知が表示された。 けれどそれはすぐ勝手にスライドされて、LINE画面が開かれた。 彼女の画面だ。 生前と死後の、僕らのやり取りがデータ上の記録として残っているアプリ。 これが今の僕らを繋ぎ、僕が彼女を認識する唯一の手段。 甘えてくる猫を撫でながら、ふと思い立って僕はスマホを手に取った。 ーーどうして死んだ事を隠してたんだ? 返事はすぐに来た。 ーーいや、言い出しづらいでしょそういうの。 まあ確かに。 続け様に気になっていたことをいくつか質問してみる。 ーースマホいじってるって親にバレなかったのか? ーーヤバい時は何回かあったけどなんとか乗り切った。 ーー充電は?
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加