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「担当者って、どういう人ですか?」
「それが…分からないんです」
「分からない?」
水野は俯き、言い辛そうに口を開いた。
「最初、この話は電話でされました。かけてきたのはS&Mの受け付けだという女性です。それからのやりとりは電話とメールで行ってきましたから」
「受け付け嬢が契約を伝えてきたんですか?」
「はい…。何でも担当者は多忙の為、代理でだとか言っていましたね」
「じゃあ水野さんは担当者とは一度も会話すらしたことないんですか?」
「そうなんです。そこも怪しいところでして、本当は陽一さんにお知らせする前にお断りしようかとも思っていたんですが…」
本当に向こうが本気であれば、これほど良い話はない。
しかし怪し過ぎる。
「ん~…。水野さんとしてはこの話、向こうが本気なら受けたいんですよね?」
「そう、ですね。話としてはとても良いものですから」
「ですよね」
陽一もそう思う。しかし本心が見えない限り、お互いに頷くことはできない。
「もし向こうに会うとしたら、オレ一人だけってことですよね? 父さ…じゃなくて、社長や水野さん抜きで」
「恐らくは…。しかし行っていただけるなら、陽一さんには護衛を何人か付けます」
「護衛とはおっかないですね」
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