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「ちなみにお前の位置はどうなるんだ?」 「まあ父の子供であるからね。名前ばかりの役職はあるけど、何かするワケじゃない。ボクはとりあえず、今の仕事で満足しているし」 「そっか…」  ちょっと惜しい気持ちはあるが、羽月が出した結論なのだ。  羽月の会社のことに対しては口を出さないとはじめに言っていた。だから彼の好きなようにさせておきたい。 「プロジェクトの方は代理の役はそのまま続けるって。一応この会社、父の会社の関連ってことになっているからね」  利皇が顔を出しても、大丈夫なのか。  ほっとし、陽一は軽く息を吐いた。その後、真っ直ぐに羽月を見つめた。 「なぁ、羽月。お前の心の整理がついてからで良いから、その…」 「うん」 「…お前の紅茶、飲ませてくれないか?」 「えっ…?」  眼を丸くした羽月に、陽一は微笑みかけた。 「久し振りに飲んでみたいんだ。お前の紅茶。ああもちろん、毒入りじゃない普通の紅茶が良い」  おどけながら言う陽一の様子を見て、羽月は戸惑いを隠せない。 「陽一、でも…」 「お前の言いたいことは分かってる」  羽月の不安を、ぴしゃりと止めた。     
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