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失った恋人との再会
「うう~ん」
陽一は頭を抱え、唸った。
会社の大きな利益に繋がるかもしれない良い話。しかし相手の本心は隠されたまま。
「…実際、会って話さなきゃこの話は進まないってことですよね?」
「はい。あまりお力になれずに申し訳ないです」
「いやいや、水野さんはよくやってくれていますよ」
慌てて手と頭を振り、否定した。その後、ため息を一つついた。
「とりあえず、話を聞くだけなら行ってみますよ」
「行ってくださいますか?」
「ええ。もし本当に裏がないのなら、ありがたいお話ですからね。まあ裏がないとは思えませんが…」
「その辺はこちらで調査を進めます。ですが陽一さん、くれぐれも注意してくださいね?」
「分かっていますよ。護衛の方、よろしく頼みますよ?」
「了解しました。では準備はこちらの方で用意しておきます」
「ええ、お願いします」
水野と話をしたせいか、会議室を出ていた後はすっきりした気分になった。
翌日の会議の書類も作成し、定時には家に帰れた。
工場から歩いて十分、一戸建てが茜家だった。
「ただいま」
「おかえり。夕飯できるまでまだ時間がかかるから、お風呂先に入る?」
「ん~。後でいいや。部屋にいるから」
「分かったわ」
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