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「何か食べ物ないかな。あっ!カップラーメン発見」
恵美子はカップラーメンとコンビニのお握りを見つけてそれをほおばる。最近偏食ぎみなので体重が増加している。158センチ55キロと言ったところか。剣道部なので筋肉もついている。
(少し太りぎみかな)
思春期の学生らしく体形が気になる。
(ダイエットでもしようかな)
鏡を見ながら悩んでみるものの食欲には勝てないものだ。食後にアイスクリームを食べた。そして受験勉強の為に勉強を始めようとしていると母親が帰ってきた。
「ただいま。あら。夕飯食べたのね。ハンバーガー買ってきてあげたのに」
「それも後で食べるから、そこに置いておいて」
恵美子は先ほどまでダイエットの事を考えていたのをすっかり忘れているのだ。
次の日学校に行くと、前日食べ過ぎたせいか腹痛に襲われた。腹痛はいつもの事なので別段慌てふためいたりしない。保健室にいくと
「岡田さん、今日はどうしたの?」
保健室の先生が待っていてくれた。
「お腹痛くて」
「ベットで休んでいく?」
「はい」
「岡田さんのいつものベット空いているわよ。酷いようなら医者に行った方が良いかもね」
「大丈夫です。食べすぎかな」
「あらっ」
先生は小さく叫ぶと少し笑った。
その日は腹痛がなかなか治らず、部活動も休んでしまった。部活を休む事なんてあまりないので自己嫌悪に苛まれる。
「ただいまー。あれっ?」
玄関に派手な母親の靴と男物の靴が並んでいる。父親の靴だろうか?それにしては派手すぎる。
ガタガタ。
二階から物音が聞こえてくる。二階は子供部屋と両親の寝室があるのだ。
(母親かな)
「ただいまー。お母さん?」
恵美子は二階に向かって叫ぶ。
「おかえりなさい。部活はどうしたの?」
やはり母親だ。
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