Track 03.                                【確かめるのは難しくて怖い。だけど本当のことを知りたくないなんて嘘。】

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「……奏良(そら)、今日レッスンなの?」  奏多(かなた)が話を続けてくれた。もっともっと話したい。これはチャンスだ。でももう時間が無い――。 (落ち着いて話せば、別にバレない。今からでも友達に……なれるかも!)  奏良(そら)は意を決して、深呼吸を一つした。 「いや、今日は休み」 「帰り、いつもこの時間? ……ってわけでもないって、さっき聞いたよね」 「はは。帰りは色々かな。結構友達とブラブラして帰ることあるし」 「……へぇ……。お前、友達と寄り道とかしてるんだ」 「それくらいするだろ。お前しないの?」 「俺はしない。……今日は? 今日は寄り道無しの日だったの?」 「……別に――お告げ?」 「え、奏良(そら)も? マジで?」 「そんなわけあるかよ」 「ですよね……」  なんとなくノリで、奏多(かなた)に合わせて“お告げ”とか言ってみたものの、奏多(かなた)の一瞬パアっと明るくなった表情を見て奏良(そら)は恥ずかしくなった。 (え、なんだよ。かわいいじゃん。こいつ、やっぱ俺の事好きなんじゃないの?)  そんなわけはない。また勝手な妄想だ。  それでも勝手に頬が緩む。心臓に悪い――。こんなのもう堪えられない。 (やっぱりダメだ……)  奏多(かなた)と仲良くするなんてやっぱり無理だ。こんなんじゃすぐバレてしまう。奏良(そら)は気持ちをぐっと押さえた。
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