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「み、光臣~」
「あれま。あきらっち、マジなっさけない顔。ツンも度が過ぎると嫌われちゃうよ、男子ぃ」
光臣が、よしよしと俺の頭を撫でながら、ちらりと賢人に含み笑いを投げた。賢人はますます表情を険悪なものに変貌させながら、光臣に向かって吐き捨てる。
「うっさい。あんたには関係ない」
「おーこわ。せっかく人がアドバイスしてやってんのに。デレもたまには大事な武器なんだぜ」
「だから、うるさいって」
「あ、光臣も体温低いんだなぁ。先輩はなんか、すごくあったかかったんだ。書庫ん中がひやっとしてるからさ、抱き締められたらちょうどいい感じのあったかさで……」
「んん~? なんだって、あきらくん。ちょぉっと、この光臣くんに詳しい状況を聞かせてくれないかな。なぁんか、聞き捨てならない感じだったけど?」
「え……?」
「やっぱり僕をどこぞの馬の骨と比較してやがったのか。しかも何だって? 誰が、誰に、どこで、何をされたって?」
「え……え?」
ーーあれ、もしかして俺、地雷踏んだ?
ってか、どこに地雷埋まってたの? どれだけ考えても原因がさっぱりわからないんだけど……。
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