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俺は混乱のなかをにじり、にじりとゆっくり下がる。そしてすぐ後ろにあったスロープの手すりの影にすばやく移動して身を隠し、腕に取り付けてあるウォッチ型のチェンジャーで本部へと通信を繋いだ。
「エマージェンシー! エマージェンシー! こちらブルー! 噴水広場にヤツらが現れた!」
すぐにぴぴぴっと応答がある。
『了解。大至急、出動要請を出すわね』
声の主は、AIオペレーターのベルちゃん(名前の由来はティンカーベルから)。
頼んだよ! と通信を切るなり俺は立ち上がり、すばやくチェンジャーをオンして叫ぶ。
「変身!」
キラキラと光の粒子が俺を包み込み、高密度のナノテクノロジーを……えーっと、とにかくなんだかすごい科学的な力を駆使して、瞬きの間に青く輝くボディスーツを身に纏う。
「“蒼天から舞い降りた守護天使”、ガルドブルー!」
かっこよく名乗り台詞とポーズを決めて、俺はスロープを駆け降りる。勢いのままに、いたいけな学生たちを襲う黒モブどもの前に踊り出していった。
「来い! ジャーク獣ども! 俺が相手だ!」
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