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○ ○ ○
ああ、すまない。驚いただろう?
そう。俺は愛と正義を護る平和の使者、ガルドレンジャーの一人。
名前は水瀬あきら。
担当カラーはブルー。
クールな俺に相応しい大人の男の色合い、だろ?
本当はもちろん、担当カラーはレッドが希望ではあった。主役の色は赤と、昔から決まっているからな!
だけど。
「お疲れ~あきら。今日のセミ男くん、意外と手強かったよね」
駆けつけた四人の仲間たちと共闘して颯爽と怪人を打ち倒し、本部へと引き上げていく道中のこと。声をかけてきたのはガルドピンクこと、佐倉奏だった。彼女は我々ガルドレンジャーの、紅一点だ。普段はロングヘアーを清楚に揺らす可憐な乙女だが、今は俺と同じく担当カラーのボディスーツに身を包んでいる。
「お疲れ! 今日も学園を、ひいては世界を守れて、良かったよな!」
「あんたってほんと、よくそんな恥ずかしい言葉がすらすら出てくるわよね~」
「? なんでだ? だって俺たちは毎日そのためにこうして出動してるんだから、当たり前だろ」
「はいはい、あんたの言いたいことはわかってるって。でもあたしにとっては、あくまで部活動! 内申点のためにやってるだけだからね」
そう。そうなのだ。
我々は全員が春海学園の高等部二年生。このガルドレンジャーとしての活動は、表向きはピース・サインという社会貢献系の部活動として扱われている。
もちろん、その実態を知る者は少ない。
マスターである校長と司令官である生徒会長、そしてチーフマネージャーとして顧問の教諭が一人。
あとは五人の戦隊メンバーと、本部にいるAIアシスタントのベルちゃんだけが我々の仲間のすべてと言っていい。
秘密裏に、人々の笑顔と平和を守る。当然のことだ。ヒーローは公に、堂々とその正体を明かしたりしないものだからな!
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