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「決まってないよ。書きたいもの、読みたいもの、気が向いた時に来て、自由に活動してもらえれば大丈夫」 ん?それは中々、好都合ではないか?つまり、気が向かなければ古書室(ここ)へは来なくてもいい。と、言うこと。幽霊部員万歳じゃないか。そんなよこしまな僕の考えなど、想像もしていないような表情を向けてくる四月一日先輩。“にこにこ、にこにこ”…あゝ、そう言えばいつ以来だろうか。涙がでるほど、声をあげて笑ったのは。初めてではないだろうか?女の子を見て、ドキリと胸が音を立てたのは。 (………) ちらり。顧問は、僕にとって“超”のつく適当人間である西井先生。しかし、人望が厚い理由も…なんとなくだけれどわかってしまうのだ。僕は、西井先生に向けて左掌を差し出した。 「ん?どうした、つゆ「入部届け。ください」 西井先生の目が、四月一日先輩の瞳が、大きく見開かれる。
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