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「この状況が分かるか?」
綾乃は首を横に振って、
「分からない。目が覚めたら縛られていただけよ。」
そりゃそうか…どうすればいいのだろう。
「ハロー掃除屋。」
部屋の暗がりが急に明るくなった。恐らくアレはテレビだろう。テレビの画面にはピエロの面をつけた人が写っていた。声は機械で変えられているのか、このピエロが男性なのか女性なのか分からなかった。
「僕はゲームマスターだ。ゲームを通して君達を実験する。君達は二人で死体の処理を行ってい
た掃除屋だ。君達の仕事のせいで、いくつもの事件が闇に葬られてきた。君達は被害者の気持
ちを考えたことがあるか?」
綾乃の顔が青ざめていっている。恐らく俺の顔も同じような状態だろう。
今こいつはゲームマスター、と言わなかったか?こいつの噂は表の社会でも裏の社会でも話題になっている。「連続異常殺人事件」としてニュースにもなっていたはずだ。
(…まさか…俺達がゲームをすることになるとは…。)
「これは君達が更生するチャンスだ。今からルールを説明する。僕がルールを説明し終わると、
目の前の丸ノコ刃が回転し始める。君達が死体を切り刻んできたものだ。足元にレバーがある
のは見えるか?」
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