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「たっちゃんは明るいキャラだったから別にいいでしょ。『ワンパーツ』とか『タルト』みたいな有名なアニメをちょっと知ってるだけのにわかかと思ったら、割とガチだったし」  菜々子は肩をすくめた。俺は笑った。 「お前がノートに『ワッチ』の絵を落書きしてるとき、マジでビビったからな。『こいつ、「ワッチ」知ってやがる!』って思ってさ」 「その割には初めての彼女が私だもんね。デートもぜんぜんスマートじゃなかったし」 「根の部分が似ていたんだろうな。俺たち」 「そうだね。本当に懐かしいなあ……」  と思わず漏れ出てしまったような小さな声で言って、菜々子はもう一度写真を眺めた。それから写真を俺に返し、大きく伸びをした。 「なんだか、集中力切れちゃったな。ねえ、そろそろお昼にしない?」 「ああ、そうだな。時間も時間だし」 「焼きそばでもつくるね」 「俺も手伝うよ」 「いいよ。邪魔だから」 「そんなこと言うなよな。せっかく手伝ってやろうって言ってんのに」 「トイレ掃除でもやってくれるって言うんなら嬉しいんだけどね」  と菜々子は試すように横目で俺を見た。うげ、トイレ掃除は面倒だなあ、と顔を歪めていると、菜々子は耐え切れないといったように大笑いした。 「嘘、嘘。うん、ありがとう。それじゃあ、冷蔵庫から……」
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