浮き星

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「あれは導きの光。あそここそがわれらの約束の地なのだ」  天を飛び回る浮き星たちが、あるいは囁き、あるいは語らい、示し合わせたように地上を見上げた(・・・・)。宇宙を旅する浮き星たちは、一斉に飛び立ち、溢れる光へと舞い上がった。  羊飼いは見た。光の帯が大地へと降り注ぎ、地上を火の海に変えていくのを。そして思った。 「羊、全部、食っとけばよかった」
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