プロローグ
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プロローグ

行儀よく整列した棒状の物体が暗く無音の空間を浮遊する。 その両端に青い炎がぽつぽつと見え始めると、しばらくの後、急速に高度を下げ次々と青い星へ吸い込まれていった。 ロシア極東部ハバロフスク地方ヴァーゼムスキー、その東、直線距離にして約200kmの位置にシホテアリニ山脈がある。 アマゾンと並び世界の肺とも称される針葉樹の豊かな森と山脈の一部が運動エネルギーの塊により跡形もなく吹き飛ばされた。 その範囲は直径約20km、地形が変わる程の破壊力から生じた衝撃波は数百キロ離れた都市にも多大な被害を及ぼす。   〈[神の雷]、投擲完了。〉 〈超遠距離監視全台及び、監視衛星においても対象への全弾直撃を確認。〉 〈効果については粉塵が収まるまで待たれよ。〉 〈各所通達、出撃に備え現状待機。〉 〈報告!対象の活動を確認!繰り返す!対象の活動を確認した!〉 〈損傷無し!一切の外的損傷は認められない!〉 〈効果無し!攻撃による効果無し!〉 すり鉢状に抉れた剥き出しの土、その中央付近を移動する異質な存在が見える。 それは球体であった 高層ビルにも匹敵するサイズの真球、 墨を流したような濃淡の無い黒一色の表面は磨いたように滑らかで継ぎ目や凹凸は一切見当たらない。 兵器なのか建造物なのか、正体不明の物体は地表よりわずかに離れ西へと向け移動していた。 〈[神の雷]による攻撃を失敗とみなす、全ての地上部隊は撤退せよ、これより指揮権を移行する。配備完了までミサイルを主体とした長距離攻撃を続行する。〉 〈了解した。〉 〈魔法使い全部隊は出撃に備えよ、繰り返す、魔法使い全部隊は出撃に備えよ。〉 〈通常兵器に効力が見られない今、お前達が最後の砦となる、各員心して任務に当たれ。〉 【児童向け学習教材】 ※映像及び音声データ[災厄]との交戦記録より抜粋
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