2「聖はずるい」※

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  「チッ」 「がぁ、あ、ああッ! うあぅッ!?」  聖はそれを恨めしそうにわざと爪を立ててすくい取った。  達したばかりでただでさえ敏感な尖端があまりにも無慈悲に刺激される。 「いいよなー、モモは。イってばっか。自分だけ気持ちよくなりやがってさ」  嫉妬の視線は僕を冷たく射抜く。  ベッドのなかの聖はいつもとてもキレイだ。  常夜灯のあわい光を受けた金髪が琥珀色に輝き、紅潮した頬にまとわりついている。  月光に浮かび上がる狼の毛並みみたいに無造作で美しい。  
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