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──「イキたい。毎日イキたくてイキたくて、そんなことばっか考えててさ」
そう呟いた聖の伏した瞳は、とても淋しげだった。
──「あははっ。こんなの情けねぇよな、男として……」
その気になればちゃんと膨らみはするものの、まるで綿布団にくるまれたように感覚が鈍いらしい。
どんなに生々しく扱おうとも快楽なんて微塵もない。
それでも生殖機能の方は正常で、溜まるものは溜まっていく。
病院や風俗、あらゆる薬や道具に頼ってみたが、十二年前のように満たすことはどうしてもできなかったという。
──「イキたい……。辛いんだ、モモ。助けてくれ、モモ」
僕の身体は彼にとって、最後の望みだったらしい。
久しぶりの感触は懐かしいというよりも、別物に変わってしまったみたいだった。
絶頂を渇望する聖の手ほどきはものすごく乱暴で、無理矢理で、挿れるというより刺さっていくみたいで──。
泣き叫んでしまうほどに痛くて痛くて、すぐにやめてほしかったけど、聖がとても必死だったから拒否できなかった。
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