4「どうしますか先生。ぼくはまだ続けてもいいですよ?」

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  「ごめん。えっと……、なんか悪いことしたっけ……?」 「さっき『今日はこのページをやったら授業終わろうね』って言ってましたよね? なのにまだ続けるんですか?」  教卓の真正面に座っている彼は、まっすぐに僕を見上げる。  ブルーライトカット仕様のギラギラと青く光るレンズの眼鏡。おびえる僕の姿が反射している。  四角いメタルフレームの影響もあり、こういうときの彼は絶対的な正義を背負った裁判官みたいだ。  背筋もピンと張っていて、力が緩む瞬間は無い。 「そうだった! 忘れてた。ごめん」 「もう忘れたんですか」 「ごめんね。青葉くんがぜんぶ簡単に解いちゃうから……。ちょっと欲張っちゃって」  
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