4「どうしますか先生。ぼくはまだ続けてもいいですよ?」

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  「しっかりしてください、先生。他のヤツに同じことしたら非難轟々で嫌われちゃいますよ? ……まあ、ぼくは先生がやれって言うのなら、いくらでもやりますが」  彼──青葉は、容赦なく厳しいことを言うけれど、最後にぽそっと優しいことをしのばせるからずるい。  アメとムチがハッキリしている。  青葉は他の生徒とはなにかが違うのだ。  優等生の余裕と貫禄というか、なんというか。  そういえば昨日、彼になにか話そうと考えていたことがあったはず──そこまでは思い出せる。  なのに、涼やかな横顔を見たらきれいさっぱり忘れてしまった。  やっぱり僕はボケている。  酸素が頭に回ってない。  青葉を見習ってしっかりしないと。  
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