4「どうしますか先生。ぼくはまだ続けてもいいですよ?」

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  「ちゃんとごはん食べてるんですか先生」 「……た、食べてます。ごめんなさい……」 「謝らなくてもいいのに」 「ごめんなさい」 「ほら、また」  僕は経験が浅くてミスも多いから、生徒たちからナメられやすい。  だんだんと仲良くなるにつれて、先生呼びではなく、あだ名(天パ気味だからモジャとか、公家っぽいからマロとか)で呼ばれてしまったり、すっかりタメ口になっている生徒もいる。  親しみを持ってくれてるってことだし、僕も学生時代に似たような覚えがあるから注意はしない。 「仕方のない先生ですね」  ただ、青葉だけはいつまで経ってもかたくなに敬語と先生呼びを貫いている。  本当いうと、僕はその距離感が少しさびしい。  
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