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kill & kiss
あの時、私はきっと彼女にキスすべきだったのだ。
いつだって死にたがっている子だった。
彼女と会って、私は変わった。一人ではなくなった。
それでも、彼女はいってしまった。
いつも、机に仰向けに倒れるように寝ていた。あの時、何を見ていたのだろう。
死ねないなら何より強い絆を、死に負けない傷を君に与えてしまえばよかった。
あの時私はあなたにキスすべきだったのだ。
叫びたいほど、あなたといきたかったのだから。
彼女が好き、きっと一生好きだった、なのにどうして どうしてあの時言うことが出来なかった、のは、
私の16才の時が知っている。
私の少女が、ずっと大切に抱えて眠ってしまったそれを、当然のように手にしていたからだ。
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