1. 少年の夢・自室

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玄関が南西にあり、右手に階段、階段正面にトイレ、その奥に洗面所と風呂場。廊下を真っ直ぐ行き、玄関正面にリビング。リビングは二十畳程度。入って直ぐ右手にカウンター仕様のキッチン。カウンターに並べるように四人掛けの食卓テーブルと椅子。部屋中央に別のテーブルがあり、四人掛けのソファが入り口から見て右辺のテーブルのところにある。ソファに向かい合うように四十インチの液晶テレビ。カラーは白。リビング入って左手にもう一部屋あり、畳の部屋となっている。※現実だと仏間になる。 カメラ、階段下から、降りてくる少年を見上げるように。 カメラ、玄関からリビングを写す。リビングの扉は閉じている。 少年、階段一段目から身を乗り出すようにリビングを覗き込む。 リビング側から少年の顔が映るように。 少年、戸惑いつつリビングへ歩いていく。 少年、リビングへ続く扉を開ける(取っ手を捻り、押して開くタイプ) 少年の視点でリビングの食卓テーブルを見る。テーブルには入り口から見て奥に父、奥手前に母、手前奥に妹、手前に少年。顔が映るように。少年だけは後頭部のみが映るように。 家族四人が談笑している。大袈裟に笑い声を上げながら。 (Effct) 食卓テーブル周辺のみ、色があるように。 少年(M)  「そこには、かつての我が家の光景があった。父と、母と妹、そして……」 カメラ、四人のうちの少年の背中をアップに。 少年、ゆっくり四人に近付いていく。 少年(M)  「どうして今更こんな光景を僕は夢に見ているのだろう。無くなってしまったものを思い出すのなんて、ただ辛いだけなのに――」 ゆっくり暗転。 少年(M) 「あぁ、本当。夢ならどれだけよかったろう」 シーン終わり。
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