2. 少年の自室(現実)

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母 「おはよう、あなた。今日頑張れば明日はお休みなんでしょう? お休み前に頑張れるように、今日の弁当はいつもの三倍愛情を込めたからね。……え? いいのよ、あなたを支えるのが私の仕事だもの。だからあなたは、私達家族をしっかり支えてね」 ○キッチン キッチンは二畳程度のスペース。カウンター前に蛇口があり、カウンター脇にトースター。コンロはI・Hで三つ口。コンロ背面に食器収納棚、蛇口背面に二段の冷蔵庫がある。 少年、母の言葉を聞きながら、食パンをトーストにセットし、コップに麦茶を注ぐ。食器棚から皿を探す。 母 「今日はお昼から少し雨が降るかもしれないみたい。傘を持っていった方がいいわ。……うん。……あら、また折り畳み傘を失くしたの? どうせまた会社のロッカーよ。あなたいっつもロッカーに傘を置いて忘れてきちゃうんだから。私のでよければ靴箱の上に一つあるから、それを持っていって。……いいわよ、どうせ私は家にいるし。今日は買い物に行く予定もないから」 (S・E) トーストが焼けた音。 少年、皿を取り出し、食パンを適当な皿の上に置いて、バターを置き、スプーンを使って全体に塗れるように伸ばす。そして、立ったまま一口食パンを齧る。 ※母はまだ↑の台詞を話している。 カメラ、リビング中央から母と少年が映るように。ピントを少年から、母に。 少年、母を見る。 母はまだ↑の台詞を話している。     
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