悪い虫

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あ、いや、その 口ごもる私を見て、また美樹がびっくり顔をした。 「ええっまさか、咲子からプロポーズ? はぁぁぁ、さすが咲子。でも良かったね、おめでとう」 美樹から祝福の言葉を聞けて良かった。 茹蛸状態で恥ずかしいけど、おめでとうって言って貰えるとくすぐったいような、幸せな 気持ちになる。 「だからね、一木君なんて、その、どうでもいいっていうか」 「だよねぇ、でもさ、片桐さんのやきもちは怖そうだよね」 時間になって美野珈琲へ行くと、なぜか一木君がいた。 なんで? 「葛城さん、やっぱりここでバイトしてたんだ」 あの、なに? 面倒なので、スルーして休憩室へ行き、着替えて出てくると、まだいる。 「へえ、その制服もかわいいね」
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