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「薫くん、薫くんしか好きじゃないから」
「当たり前だ。 婚約者だろ? で、どっち?」
一木君にキスされた方の頬を出すと、涙を吸われてキスの雨が降ってきた。
唇には甘いキスを繰り返し、もうなにも考えられない。
「薫くん、大好き」
「咲子・・・このままマンションへ帰ってもいい?」
行きたいって言えたら、いいのに。
私だって、本当は。
「週末までお預けだな」
いつもの悪戯な笑顔だ。
額をくっつけて笑いあったら、一木君なんてつまんない事だって思えた。
でもね
「薫くんの職場で、その、居心地が悪くなるとか、そういうことはない?」
私のせいで、みんなに白い目で見られるとか、耐えられない。
薫くんはいつも毅然としているんだろうけど、心配になる。
「そういう心配は一切ない。知ってると思うけど、警察官は縦社会だ。階級と学歴の世界。牧が崎署で一番上の階級は何だと思う?」
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