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「それに、俺は堂々と咲子と付き合ってるって言えるし、むしろ自慢したいぐらいだよ。咲子、よく聞いて。 咲子は、自分の身を守れ。あんな奴に傷つかなくていいから。
なんかあったら、誰でもいいから助けを呼ぶんだぞ。学校までは、行けないから。心配なんだよ、咲子。一人にならないように、いいね?」
まるで保護者のような言いようにちょっと笑いそうになる。
「うん、分かった。大丈夫だよ、ちゃんと大声で叫ぶから。ごめんね、もっと早く話せばよかった」
頭を撫でられて、よしよしってされると嬉しくなっちゃう。
薫くんは心配ないし、私も大丈夫。
じゃない!
「そうだ、明日テストあるんだ。ああー、忘れてた」
「ま、明日は諦めて、次回頑張れ。週末に勉強みてやるから、な」
遅くなるからって、この話はこれまでにして送ってもらった。
翌日、翌々日とバイトは休みだったから速攻家に帰って模試の準備だ。
まだちゃんと決めてないけど、両親に迷惑はかけられない。
だから、目指すは国立。
いきたい大学が決まってから間に合わないのは痛い。
なので、できることはやっておきたい。
毎日の課題をこなし、入試の準備となると、バイトはきついな。
そろそろ考えないとだな。
昼休み、一木君に呼び出された。
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