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「咲子、おはよー」
いつも朝、いつもの挨拶。
でも、私は違う。
「おはよう、美樹」
「なに、その余裕? お主、温泉で何があったのじゃ?」
「うふふー、後でね。美樹たちも楽しかった?オープンキャンバス行ってきたんでしょ?」
「うーん、実を言うとよくわかんなかった。雰囲気とかって言うけど、翔ちゃんとじゃダメ。だって、なんだかデート気分で」
なるほど、デートを楽しんじゃったんだ。
美樹は牧ヶ崎高校に進学してすぐに仲良くなった大事な友人で、親友だ。
毎朝、電車通学の私と駅で待ち合わせて登校している。
いつも元気な美樹は、ショートボブがよく似合ってる。
美樹の彼氏は同級生の、浅野翔太君。
彼は私と同じクラスで、サッカー部の自称エースだ。
私の彼氏で、こ、婚約者の薫くんとも仲がいい。
たまにご飯に行ったり、男同士のおしゃべりは楽しいらしい。
私もそろそろ、進路を考えないとな。
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