悪い虫

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強引なところもあるけど、いつだって私を優先してくれる。 あぁ、薫くんに会いたい。 「ふーん。年上って大学生?」 ああ、一木君いたんだ。 「あの、あんまり言わないで欲しいんだけど、会社員」 「は? 会社員っていくつなの? もしかして、葛城さん、援交なんじゃ」 「違う、薫くんはそんな人じゃないからっ。ちゃんと付き合ってるの!」 「あ、ごめん」 「私、帰るから」 酷い、そんなこというなんて。 「待てよ」 立ち上がって出ていこうとする手を掴まれた。 「ごめんって。ただ、その、葛城さん、いいなって思ってて、つい」 でも、私は頭に血が上ったままだ。 「もういいでしょ? 離して」 ぐいって引っ張られてバランスを崩した。
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