271人が本棚に入れています
本棚に追加
一木君の腕の中で身動きが取れない。
後ろから抱きしめられていた。
「ちょっ、なに? 離してっ」
「俺・・・ごめん、でも」
後ろから頬にキスされて解放された。
なっ
「信じられない、最低っ」
保健室のドアを開けると向こうから養護教諭が歩いてきた。
「あら、保健室に用があった?」
「いえ、あ、頭痛がしたので少し休んでました。でももう治ったので失礼します」
後ろから先生と一木君の話声がしたけど、急ぎ足で渡り廊下を突っ切った。
そうだ、一木君を置いてきちゃったのはまずいかな。
確か具合が悪いのは、私の方だ。
トイレで時間を潰して、ざわざわと生徒が廊下へ溢れる音を聞き、教室に戻った。
「葛城さん・・・」
最初のコメントを投稿しよう!