271人が本棚に入れています
本棚に追加
心配そうな顔の浅野君がいた。
「大丈夫。っていうか、なんだろうねあの人。いちいち報告しないでいいからね」
「ごめん、ラインしちゃった」
ああー、うん。
自分のスマホを見ると着信をしらせる点滅が。
なんでもないから、帰ったらかけなおすってだけラインしておいた。
同じクラスっていうのが気まずい。
でも一木君は、何もなかった様にいつも通りだった。
バイトの前に寄った、いつものドーナツ屋。
「で、何があったの?」
美樹はウキウキと身を乗り出してくるけど、朝の楽しい気分はすっかりなくなって、気持ち悪さだけが残っていた。
「美樹―、また面倒な人が出た」
一部始終を話すと、美樹はぷぷっと笑った。
「もー、咲子はモテるねぇ」
「やめてよ、気持ち悪いだけだって」
最初のコメントを投稿しよう!