悪い虫

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心配そうな顔の浅野君がいた。 「大丈夫。っていうか、なんだろうねあの人。いちいち報告しないでいいからね」 「ごめん、ラインしちゃった」 ああー、うん。 自分のスマホを見ると着信をしらせる点滅が。 なんでもないから、帰ったらかけなおすってだけラインしておいた。 同じクラスっていうのが気まずい。 でも一木君は、何もなかった様にいつも通りだった。 バイトの前に寄った、いつものドーナツ屋。 「で、何があったの?」 美樹はウキウキと身を乗り出してくるけど、朝の楽しい気分はすっかりなくなって、気持ち悪さだけが残っていた。 「美樹―、また面倒な人が出た」 一部始終を話すと、美樹はぷぷっと笑った。 「もー、咲子はモテるねぇ」 「やめてよ、気持ち悪いだけだって」
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