悪い虫

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「まあ、それだけで済んで良かったじゃん。でも一木って、2年の子とつきあってなかった? 別れたのかな。 それにしても、また片桐さんの黒いオーラが見られるかなぁ」 美樹は楽しそうだ。 「ううー、やめてよね。ちゃんと断ったから大丈夫だし」 「で、温泉はどうだった?」 「あの、それは、その、楽しかったよ」 お土産の付箋とラスクをテーブルに広げた。 彫刻の森で見つけた付箋が面白くて、浅野君にもデザイン違いを買ってきた。 「でね、美樹には言っておくね。実は・・・」 美樹が息を飲んだ。 目もまんまる。 「うそ、マジで?」 うんっと頷くと 「キャーーーーーーっ咲子、ホントにっ? うわーーーーーーー」 美樹が赤い顔で叫ぶから、いろんな意味で私も顔が熱くなる。 「おめでとう咲子、びっくりしたけど、私も嬉しいっ! いや~ 片桐さん大人だわ~」
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