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「ふああ…」
十一月、肌寒さを感じる様になった朝。
私は欠伸をかみ殺していた。
「寝不足?」
姉から、そう聞かれた。
私は答える。
「うん…、まあそんな感じ」
「…本読んでたんでしょ?」
「う」
ばれていた。
「夜更かしも、ほどほどにしなさいよ」
「はぁい」
そう言って私をたしなめる姉の表情は、なんだかんだ言って優しい。
妹ながらきれいだなあ、と思う。
あまり変わらない顔のはずなのに、不公平だよ。
「そうだ、ねえ、あれどうだった?」
「うん、これだよね」
「わあ!ありがとうー」
頼まれていた品物を渡す。
帰り道のコンビニで買い物をすると景品がもらえて、今は姉がファンのアーティストの期間なのだ。
無邪気に喜ぶ姉の姿は、とても楽しそうだ。
そんなのを見ると、ああ、やっぱり私のお姉ちゃんだなあ、と思うのだ。
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